本物 天然シルク「ブラ」天然染料染め手織り「キラ」ブータン王国 織姫の伝統工芸品

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ご閲覧ありがとうございます。 ブータン女性の着衣、「キラ」は、原始機織「タシン」と呼ばれる座機の織り幅の布3枚を縫い合わせた長方形の一枚の布。 巻きつけるようにして身体を覆います。 両肩で布の端と本体の布を「コマ」(ブローチ)で留め腰帯で着丈を調節。 シルエットは、日本の近代の着物姿に酷似しており、体型の起伏は見せない様式の衣服です。 腰巻き状のロンギーよりは幅があり、インドのサリー(5〜6m)ほどには長くは無く、サイズ感は、セミダブルからキングサイズのベッドの大きさを想起していただければ良いかと思います。(大まかな実寸は写真上に添付)。 鎖国を解いて以降、ブータンの織物の特異性が紹介されて以来、さまざまな視点から衆目を集める事になりました。 おりから、東南アジアの手工芸の美しさに魅了された頃。 硬く閉ざされていた宝の小箱の扉を開けると、ヒマラヤの山々を見下ろす紺碧の空の色をバックに虹色の色彩が解き放たれたのでした。 更にその箱を覗き込むと、染織の源流と思しき素晴らしい伝統技術の継承にも光が当てられました。 「キラ」を織る技術は特に注目を集めます。 一見、刺繍のように見える高度な織り技術で織り上げられた「キシュタラ」は、元来王族の衣装であった高級品です。 その価格は、ブータンの人々の年収入の4年分に当たる高価なものもあるそうで、布は財産でも有り、富の象徴、現金に代わる報償品、葬儀を司る司祭への奉納品にもなるようです。 現地にて、購買の機会は得たものの、あまりの高額故に「キシュタラ」との縁は、出発当初から諦めることにしました。 一方、ブータンの織物で注目される「ブラ」と呼ばれる野生の繭を紡いだ絹織物の布が有ります。 今回出品の「キラ」は、「ブラ」です。 殺生を嫌う彼らは、蚕の幼虫が繭の殻を破って出た後で絹糸を紡ぐため、結び目が糸に独特の風合いを与えます。 紡いだ糸は天然染料で染められます。 藍、茜などの植物由来の染料のほかに臙脂色はラック貝殻虫(カメムシ目!)の体内色素です。 古布にもかかわらず臙脂色は今も特に鮮やかさを残しています。 経年劣化と色褪せが進んだかなり古く(ブータン式経年識別の常套句)、透けて見える程に薄くなった箇所もあるブラですが色糸を変えて織られた縞模様の其々の天然染料の色を存分にご鑑賞いただけます。 ご一読ありがとうございました。

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